ライン工になる前に読んでほしい話
私はライン工として約10年務めています。今の会社には期間工として働きだし2年11カ月を過ぎる頃に正社員登用試験を受け見事うかりました。つまり正社員ライン工なわけです。
今日はその経験を元にライン工について話していこうと思います。
ライン工10年と聞くと
「え……」
「早く辞めなよそんな底辺職」
「スキルの無いお前にはお似合いだ」
など、色々と思うことがあるでしょう。
これから就職、転職しようと思ってる方にライン工をお勧めできるか?結論から言いますと
ライン工は「目標が無い・資格や経験が無い・それなりの給料でも生活の為と割り切れる」人には楽だからお勧め!ただし給料は会社によるから会社選びは慎重に!
逆に
「目標が有る・何となくやってみようか迷ってる」人には絶対にお勧めできません。
ライン工で検索すると「ライン工 地獄」「ライン工 つらい」のようなワードがよくでてきます。確かにそういったマイナス面があることも間違いではありません。ライン工のデメリットとしては
「交替勤務が辛い」
「出世・昇進がしずらい」
というのがありますが、一方でメリットもあります。ライン工で働くメリットは
「多くはないが少なすぎない給料」
「自由な時間」
「楽な仕事」
などがあります。メリットとデメリットを天秤にかけてどちらのほうが勝ってるかが重要ですよね。
ただし同じライン工でも会社によって違います、「残業が多い」「基本給が安い」といった違いは本来あるメリットを打ち消してしまうので会社選びも重要です。
そして何よりあなたが何を重要視するかがポイントです。それが給料なのか休みなのかやりがいなのか、はじめから全てを満たすにはライン工では難しいです。
ではこれからライン工で働くメリット・デメリットについて私が現在進行形で経験しているライン工の実態についてお話ししていきます。
※あくまでも、私が務めている会社での話ですので「なんだそんなもんか」「うちとは違うな」
などあると思いますので、一つの参考として聞いてくださいね。
【目次】
デメリット
交替勤務が辛い
工場では大量の製品を連続して生産するために一日中生産装置が動いてます。(装置を動かすために材料入れや点検などの作業が必要だし、止めるにもそのままにしておけないので手間が掛かります。なので、動いたら動かしっぱなしのほうが効率がいいからです。)
私達ライン工は装置が動いてる限り働かないといけないので、朝昼晩それぞれの勤務に別れることになります。
● 朝勤(8時~16時)
● 夕勤(16時~0時)
● 夜勤(0時~8時)
みたいな感じで交替で勤務するのが『交替勤務』なんです。更にこの勤務をローテーションで行うわけです。朝勤→夜勤→夕勤→朝勤→・・・
そりゃ体のリズムを合わせるのが大変なわけですよ・・。
朝勤務だとだいたい夜の22時くらいに寝るわけですが、次の夜勤は0時から。
夜勤ではお昼の14時くらいから寝るんですが、次の夕勤は16時から・・・
先週まで眠っていた時間に働かなければいけないのは相当しんどいです、はい。
多少は慣れてはきますが、慣れたってことは自律神経がマヒでもしちゃったんでしょうかね。
勤務の切り替わりである休みの日に寝る時間を工夫して合わせるわけなんですが、合わせるのに失敗したら悲惨なものです。10年続けてる私もいまだに失敗することがあります・・・
「10年たつのに慣れないなんて・・・ヤバッ」
交替勤務では他にもよくないことがあります。それは、家族や友人と予定を合わせにくいことです。
平日はほぼ合わせられませんよね、夕勤を夜中0時に終わって「これから飲みいこうぜ!」はまずないですもんね。
そんな不規則な生活をしてると遊びの誘いも減っていきます・・・私もしばらく友人と遊んでないな・・・(これはかなり人によると思うので、交替勤務でも遊んでる人は遊んでます)
デメリット
出世・昇進しずらい
出世で課長・部長クラスを目指すのはいいんですが、役職の椅子が少ないです。余程の大きい工場で、いくつも拠点のあるようなとこならそれだけ椅子も多いでしょうが、それでも少ないと思います。
昇進については、年功序列でだんだん上がっていくタイプのところと、等級制で年齢関係なく試験に受かれば昇進するタイプがありますが、私は後者の等級制です。
「どんどん勉強してどんどん偉くなれよ!」
ってそんな簡単ならば全員等級があがりますが、なかなか上がれないのが現状です。合格するのは上位数%とか明言されてないのでハッキリとは言えませんが、かなり狭き門です。私のところでは一番下の等級でも昇進倍率50倍あたりに感じます。
普段仕事があまりできないが、試験は得意という人もいて、そういう人は昇進していきます。逆のパターンでいくら仕事ができても試験に受からないので、いつまでも安い給料で使われてる人が多いと感じてます。なんだかなあ・・
※これは会社によって違う場合があるので参考程度に聞いてください。
ただし出世・昇進が無理と言ってるわけではありません。難しいけどチャンスはあります。あなたの努力次第ですね。
ここまではデメリットについてお話ししました、今度はメリットについて話していきます。
メリット
学歴不問・未経験・無資格OK
ライン工の仕事は単純作業で誰でもできるようになっているため、学歴不問・未経験・無資格OKなところがほとんどです。
メリット
多くはないが少なすぎない給料
給料について気になる人は多いのではないでしょうか。底辺職というイメージだと、生活ギリギリの給料じゃないの?と思われるかもしれませんが思っていたよりは貰えるんです。
ライン工の給料で重要になってくるのが手当なんです。
上でもお話した交替勤務をしていると手当がつきます。手当の種類は「交替勤務手当」と「深夜業手当」の2つあります。
この手当について調べると
「深夜業手当」は労働基準法に定められ22時~翌日5時までの労働には25%割増で支払われるものとされています。
一方「交替勤務手当」は法的に決められた手当ではないため就労する会社により違いがあります。
つまり、それぞれ別の手当として支給される場合と「交替勤務手当=深夜業手当」として扱われる場合があるようです。
ちなみに私の場合は「交替勤務手当」が月3万円、それとは別に「深夜業手当」が時間に応じて支給されています。手当が別で支給ということで恵まれてるほうかもしれません。
私は転職してライン工をはじめたばかりはだいたい支給で22万くらいでした。そこから色々引かれて手取り17万くらいです。
それから10年、今はだいたい支給で30万くらいです。年収にすると450万円前後です。私は30代半ばですので世の中の男性平均年収が480万円だとすると若干低めではありますが会社の業績や規模によるところが大きいでしょう。
(480万円が平均とした理由は引用の30代~40代の間をとりました)
年代別の平均年収は20代が346万円、30代が452万円、40代が528万円、50代以上が645万円という結果でした。
引用:求人情報・転職サイトdoda(デューダ)
確かに他の職種と比べたら給料は低いかもしれません。しかし、ライン工という仕事は未経験でスキルもいらず働け、作業自体は楽、それなのに平均に近い給料が貰えるのは大きなメリットだと言えるのではないでしょうか。
※会社選びは慎重にしましょう。交替勤務で30万貰えても仕事が減り昼間勤務になれば給料が一気に減ります、20万以下とかなりかねません・・・。
メリット
自由な時間
工場では基本機械を動かし続けます、その為、祝日でも休みなしで働くところが多いと思います。一見休みが少ないように感じますがそのぶんゴールデンウイークやお盆休みが長いことがあります。
普段は週休2日で長期連休も長く年間休日120日以上の工場は結構あります。
また、ライン工は仕事の持ち帰りがありません、つまり仕事と私生活のONとOFFをきっちり切り替えられるんです。私は仕事を終えて会社から一歩でたらもう仕事のことは一切考えてません(笑)
残業は会社によりますが私のところは少ないです。よほどのトラブルがあったか有給取得者が後班で何人もいて人手が足りないとか生産数増加といった場合以外は後班に引き継いで時間通り帰ることができます。
休みが多く、残業も少ない、仕事と私生活のON・OFFを切り替えやすいというのはメリットといえます。
(人によっては家に早く帰ってもやることない、残業で稼ぎたい等あると思います。それは個人のスタイルに合わせて会社選びすることで解決します。)
メリット
楽な仕事
ライン工の仕事ってどんなイメージですか?
「単純作業」
「同じことの繰り返し」
「つまらない」
はい、全て正解です。単純作業であり同じことの繰り返しです。つまらないこともあります。単純で同じ作業の繰り返しが苦でない人にとっては楽な仕事です。逆に苦手な人でも、仕事の中で楽しみを見つけるなど対策はとれます。つまらないなら、楽しくすればいいのです。
それについては別記事を参考にしてみてください。↓
未経験・無資格でも出来る楽な仕事はメリットといえます。
メリットがデメリットになり得る事
これまで話してきたメリットである「ほどほどな給料」「自由な時間」「楽な仕事」はデメリットにもなる事があります。
楽な仕事でもある単純作業をしていると1日過ぎるのが遅く感じるのに気が付くと1年経っているという不思議なことが起こります。原因とか難しいことはわかりませんが体感として自分や同僚もそう感じています。楽であり生活も困窮せず生活と仕事のONとOFFの切り替えができると「極度の不満」が無いので、なんとなく過ごしていってしまいます。気が付くと1年、5年と過ぎ私は10年過ぎました。初めは何か他にやりたいことがあってもズルズルと日々を過ごしてしまいがちです。目標があるならはじめから目標に向かうべきです。何となくライン工をはじめるとそのままライン工から抜け出せないこともあります。
【まとめ】
いかがでしたでしょうか。もう一度まとめると
【デメリット】
・交替勤務が辛い
・出世・昇進しずらい
【メリット】
・学歴不問・未経験・無資格OK
・多くはないが少なすぎない給料
・自由な時間
・楽な仕事
確かに交替勤務は体に負担が掛かって辛いです。ですがいずれ慣れます。どうしても慣れない、体調崩したって人はホントに合わないと思うので昼間のみにしてもらうか別の仕事にしましょう。
出世・昇進も簡単ではありませんがそこはあなたの努力次第。
初めて働くのが不安な人、転職したいけど高卒なんだよなぁ・・資格もなんもないって人。ほぼどんな人でも働くことができます。それでいて、程々に貰える給料と激しいノルマに追われることのない楽な仕事。そして自由な時間。
初めにもお話したあなたが求めるものは何ですか?
・給料?
・休み?
・やりがい?
「んー全部!」
私も全てほしいです。けど、私のスペックでは難しいと自覚してます。(専門学校卒:高卒、転職組、30代中盤、免許・資格:普通自動車運転免許・乙4、経験:前職を3カ月で退社) なので休みを優先し程々の給料がでるライン工が合っているのかもしれません。
稼ぎを優先したいなら残業が多いところでライン工をすればある程度稼げます。
ただし、いずれも就労する会社によるところが大きいので会社選びはしっかりやりましょう。チャックするポイント。
・交替勤務あるのか、どんな交替制なのか(2交替、3交替とか)
・昇進制度は年功序列か試験での等級制か
・手当はつくのか(交替勤務手当と夜勤手当は別か)
・休みは何日か(例:5勤2休で年間120日以上休みがあるか)
です。
また、目標ややりたい事が有る・何となくやろうか迷っている人は注意が必要で強い意志がなければズルズルと時間だけが過ぎていきます。
というわけで
ライン工は「目標が無い・資格や経験が無い・それなりの給料でも生活の為と割り切れる」人には楽だからお勧めです。
「目標が有る・何となくやろうか迷っている」人には絶対お勧めできません。
今日の一言
「1日1ブログ」
さっそく1日投稿が間に合わず日が空いてしまいまいしたが、1日1ブログを合言葉に頑張りたい所存です。